フランスのアール・ヌーヴォー期のアンティークの美しいガラス芸術作品。ナンシーのドーム兄弟による19世紀後半頃の秋色の木の実紋様のレアな一輪挿し花瓶です色づいた木の葉と実が、静けさの中暈し滴る空気/大気、霧、雨の中に空気中の水分を纏い佇んでいるかのよう…イエロー、ブラウン、グリーン、バーガンディ…混じり合い、溶けゆき、儚さも無限も感じます白、ブルー等の淡い色のベースはパート・ド・ヴェール技法かと。仏語で"ガラスの練り粉"。複数色のガラスの粉末を型の中で熔融し成型するガラス工芸技法の1つ。ガラスの硬質な透明感のあるイメージを覆す細かな気泡と光とが融合した柔らかな質感。複雑なグラデーションで、情感ある水彩画の様な繊細な色彩を創出しています。またドームが取得した特許技術であるヴィトリフィカシオン技法も。下地ガラスがまだ固まってない状態の時に別の色の粉ガラスを吹きかける事でグラデーションを生み出す技法。凸に浮き上がった葉や実がそれにあたるかと内側は透明なクリスタル。たぶんガラスは3層で、外層が一番薄いです。色被せガラス技法によって複雑で深く重厚な色調表現を可能にしています或はガラス外層の表面をアシッド:腐食させグラヴィール:削り、残し、中地・上地の色を印象的に見せたものかも。芸術的な立体感、奥行きが表現され澄妙、静謐を感じる色調を見せています。ジャポニスムの影響も受けた繊細で優美な作風下記は素人計測の為誤差をご容赦くださいm(_ _)m高さ15.2㎝ x 胴周り13.5㎝ x 底直径3.9㎝欠けた口先部分長さ3.6〜3.2㎝ x 口径1.4㎝141g(131g+10g)【刻印】側部にDaum ☨ Nancyの陰刻元から2ピースに割れた破損品でした。接着剤で接合しても欠損部分があり空洞になる部分があります。細い棒を入れ、上口を被せ一体の花瓶の様に見せて鑑賞していました。足首部分きも亀裂のような線が見え透明な接着剤で接合されているかも知れませんダメージ品ですが元は数十万〜百万円超の大変高額な希少品。内側、製作工程を確認、覗く事ができ貴重かと存じます自然を洗練のアートに昇華した幻想的な存在感、深い味わいと幽玄性、神秘性を放つ小さな名品です